音楽とTシャツ

vol. 16 水野創太

Music2019.7.26 Fri.

音楽というか、ミュージシャンとTシャツは切っても切れない関係性にある。ライブをするときの衣装として。オーディエンスと共鳴するための強力なツールとして。そして自らを表現するためのカンバスとして。これからの日本の音楽シーンをリードしていくバンドマン、ボーカリストなど期待のミュージシャンに「譲れない一枚」を着てきてもらい自らの言葉で紹介! 元EdBUSのフロントマンで現在はソロで活躍する水野創太が、前回の山下達郎Tシャツに続いて選んだのはデヴィッド・ボウイT。

デビッド・ボウイTシャツはイタリア土産でいただきました。ミラノの有名なセレクトショップで売っていたらしいです。デビッド・ボウイもずっと好きですね。作品ごとにアプローチが変化する雑多な音楽性に惹かれます。『ジギー・スターダスト』あたりのロック期もカッコいいんですけど、どの時代のボウイも好きですね。亡くなったときはショックでしたね。最後にリリースしたアルバム『★(ブラックスター)』もすごくよかった。2004年に日本武道館で開催された最後の来日公演にも行きました。達郎さんもそうですけど、ボウイもライブで往年の名曲をやってくれるんですよね。そういうサービス精神も素敵だなと思います。

僕は昨年12月に『晩安宝貝(わんあんばおべい)』という作品をリリースしました。これから追求したいことは、オシャレじゃないけどカッコいい音楽というか。今って日本でもファッションと音楽がどんどん密接になってきていると思っていて。もちろん、オシャレな音楽が悪いわけではないですけど、自分がやりたいことはオシャレじゃないまま現代の音にアップデートすることなんです。そういう意味においても最近は星野源さんや折坂悠太さんがすごいなと思います。折坂悠太さんは使っている楽器も今っぽくないのに同時代性がある。楽曲もともすれば弾き語りで歌うとフォークっぽくなるのに現代的な音楽になっているんですよね。星野源さんもポップな歌モノを今の音像に落とし込んでいる。だから、使っている楽器や音色はなんでもいいんです。ギターが鳴ってなくてもいい。そのうえで僕はやっぱりロックが一番好きだから、その匂いは大切にしたいなと思ってます。

水野創太

3ピースバンド”EdBUS”のフロントマンとして2005年にデビュー。
2018年よりソロ名義での活動を開始。まるで短編小説を読み終えたかのような繊細な余韻を残す水野の楽曲は、ファンのみならずアーティストからも高い評価を得ている。2018年12月、自身のレーベル「WALTZ」を立ち上げ、待望の初音源『晩安宝貝』(わんあんばおべい)をリリース。

https://mizunosota.com

晩安宝貝(わんあんばおべい)

発売中

photo & text : Shoichi Miyake

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