TSUNAGU-T in San Diego vol.01
Tシャツでつないだタウンガイド
California2016.4.1 Fri.
サンディエゴ。過ごしやすい気候と美しいビーチカルチャー。外に向けて何かを発信することにこだわるというよりも、ほどよい規模感で形成されたコミュニティから独自のカルチャーが生まれ共有されている。カフェやサーフショップ、レコード店からブックスアまで、オリジナルTシャツでコミュニケーションを育む店舗に取材した。
今、サンディエゴで注目したいショップを紹介していこう。
甘さ控えめでさまざまな国のスパイスや果物、野菜にインスパイアされたドーナッツを製造販売するドーナッツショップ。ピスタッチオにレモンとライムを合わせたり、カボチャをウィスキーで風味づけたり、オリジナルフレイバーの数々が人気を集めているほか、ミルクもタマゴも使用しないヴィーガンのドーナッツも多数手がけている。オーナーのブラッド・キーラーさんは、 「スタッフが着るものが必要だったからTシャツを作ったんだ」と笑う。「Tシャツに店のロゴを入れると店のプロモーションにもなるし、色の感じと着心地のいい質感のTシャツを着ていると働いていて気分がいい。年間を通してTシャツで過ごせて、人々もフレンドリーなサンディエゴは完璧な土地だと思うよ」。
NOMAD DONUTS address: 4504 30th Street, San Diego, CA 92116 tel: 619.843.3543
1999年にサンディエゴで創業したアメリカ最大のピストバイクブランド。デザインのインパクトとシンプルな作りへのこだわりがメッセンジャーやストリートから支持を集めている。2015年にはTシャツのデザインもリニューアルし、ピストカルチャーに留まらない発信を目指す。
LEADER BIKES address: 675 Gateway Center Drive, Suite A, San Diego, CA 92102 tel: 619.425.6452
1967年創業、ハンドシェイプで生まれたオリジナルのボードを求めて、各地からサーファーが集まる南カリフォルニアのサーフショップ。ラホヤとソラナ・ビーチに2店舗を展開する。ラホヤ店に勤める地元出身のカーター・エリオットさんは、「この場所は、カリフォルニアのサーフシーンにおいて最も重要なスポット」だと語る。「店のブランディングにTシャツは効果的だ。ミッチズが好きな人がミッチズのTシャツを着てくれる。地元のサーフカルチャーの中で育ったから愛着を持ってくれるローカル・サーファーもいれば、遠くからラホヤを訪れて魅了されたサーファーもいる。サーファーたちのつながりを生み出すアイテムとなっている」。
Mitch’s SURF SHOP address : 631 Pearl Street, La Jolla, CA 92037 tel : 858.459.5933
自分たちがいいと思ったヴィジュアルブックや、ほかでは見かけないユニークなノベルティの数々を集め、ゆっくりコーヒーも味わえるハーバーエリアのコーヒーショップ。80年代より30年近くこのスタイルを続けている。観光エリアでもあるハーバーに位置し、環境客にはコーヒーのタンブラーとTシャツが人気だという。
UPSTART CROW address : 835 West Harbor Drive #C, San Diego, CA 92101 tel : 619.232.4855
サンディエゴが本拠地のメジャーリーグチーム、パドレスのグッズを扱う公式ストアは、ホームスタジアムであるペトコ・パークに併設されている。映画『トップガン』の舞台になったように、サンディエゴは西海岸最大の海軍基地を構える軍事都市であり、毎年4月には、選手たちが迷彩柄のユニフォームを着用して試合を行い、軍への敬意を捧げる「ミリタリー・オープニング・デー」が設けられている。
PADRES MAJESTIC TEAM STORE address : 100 Park Boulevard, San Diego, CA 92101 tel : 619.795.5910
ハーバーからもほど近いイタリア人街の一画が、新たな盛り上がりを見せている。古い工場をリノベートして生まれ変わらせたコーヒーショップは、そのムーブメントのはしりだ。オーナーのデイヴィッド・ケネディさんのコンセプトに賛同したバーバー、家具屋、眼鏡屋、バイクショップ、服屋が一つの建物に同居する。「コーヒーをローストしたりする機械も置けて、人も集まれる広い空間が必要だった。この建物は古い工場として雰囲気があったし、このエリアも気に入ったので、広い空間をパートナーたちとシェアできるようにと、鉄とガラスで分割して大きなジュエリーボックスに仕上げようとしたんだ」。首を360度クルクル回しながら周囲を見て、一方的に固執せずに世界を捉えるフクロウを店の象徴としている。「温暖なサンディエゴでは、Tシャツこそが自分を表現するファッションアイテムなんだ」と、Tシャツのラインナップも豊富。
JAMES COFFEE CO. address : 2335 India Street, San Diego, CA 92101 tel : 619.756.7770
JAMES COFFEEの建物に同居するピストバイクショップ。原宿にオープンし、ムーブメントを牽引してきたBROTURESが、アメリカに初出店したのがサンディエゴだった。オーナーの一人である今城直也さんが、LEADER BIKESのマーケティングも担当していることからサンディエゴのシーンとつながり、開店につながったという。「サンディエゴのビーチカルチャーと東京のカルチャーのミックスをローカルの人たちに楽しんでもらいたいです」。
BROTURES address : 2355 India Street, San Diego, CA 92101 tel : 858.997.6783
近年、再び盛り上がりを見せているアナログレコードを多く扱う。DJでもあるオーナーのマーク・ハミルトンさんは、Tシャツを通じて、店と客との長い関係を築けると話す。「音楽レーベルからもらうTシャツとか、自分が気に入った音楽とリンクするTシャツを着ると気分がいいし、イベントで会った人とかにもそのレーベルのことを話したくなる。Tシャツには自分が何が好きなのかを表現する広告看板のような役割があって、そこからコミュニケーションが生まれる。サンディエゴの多くの店がオリジナルTシャツを売り出している」。
FeelIT address : 909 E Street, San Diego, CA 92101 tel : 707.733.3548
朝の6時半から14時半まで営業し、朝食とランチを提供するレストラン。パンケーキやエッグベネディクト、種類も豊富なサンドウィッチなどをメニューにラインナップするこの店では、地産地消の実践を目指している。コンセプトは「朝早くから明るくヘルシーな食事を」。客と家族のような関係を築くアットホームな空間だ。店長のニック・パパントナキスさんは、店のTシャツについてこう語る。「スタッフは全員、自分が好きなTシャツを選んで自分なりに着こなしている。店のオリジナルのTシャツであり、個性を表現するためのアイテムでもあるんだ。朝食を味わいながら、それぞれがTシャツで表現するスタイルも楽しんでほしいね」。
Snooze, AN A.M.EATERY address : 3940 5th Avenue, San Diego, CA 92103 tel : 619.500.3344
動画 上山亮二 / 写真 鈴木心 / 文 中島良平